[コラム]

タイトル:
悩みの概要:認知症の母親が書いた遺言書の有効性について親族間で揉めました。父が亡くなって母親はショックだったのか、軽い認知症になりました。日常生活には大きな支障はなく買い物や家事などは自分の力できたのですが、記憶力の低下が若干ありました。そして、父の死後10年経ってから老衰でなくなりました。そこで、司法書士の遺言書の検認申請手続きを経て親族が家裁で集まり遺言書の記載事項を検認して貰ったのですが、その内容に親族間で不満が出ました。
改善策

遺言書内容が妹の財産分与額について兄の私より、不公平だと妹が不満をもらしました。妹の遺留分は侵害されてはいませんでしたが、法定相続分より、少なかったのです。おそらく認知症のあった母親の面倒をみた長男の寄与分を母親が考慮して、そのように書いたのだと思いました。しかし、その理由は遺言書には、はっきりとは書いてありませんでした。しかし、おそらく妹の配偶者が相続に介入してきたのか、認知症の母の書いた遺言書の有効性に異議を唱えたのです。

母親は確かに軽い認知症はありましたが、後見人や補助人等を家裁に申請するほどの問題ではないと考えていましたが、妹は本当なら家裁に申請をすべきだったと言いました。そこで、弁護士会の家庭紛争の相談センターの弁護士に相談しに行きました。そうすると、認知症の程度にもよるが、遺言書の内容を見る限り、有効性が疑われる内容ではないとの、その弁護士の見解でした。過去の判例を見ても大きな内容の不備がなければ被相続人の意思が尊重されるそうですが、裁判で争う事例もあるそうです。

そこで、私は妹夫婦には妹の相続分が法定相続分を満たしていない事を詫びましたが、それは私の妻が母親の面倒を見たという部分が反映されていると考えていると伝えました。このまま、遺産分割協議書が相続税の納付期限に間に合わないと小規模宅地等の特例も使えず、不動産の課税評価額の減額もされず多額の相続税を一旦、納め結着がつくまで何年もかけないと払い過ぎた相続税が戻って来ないと税理士の見解も伝えたところ、しぶしぶ妹夫婦も母の遺言書の内容を受け入れて結着しました。今、思えば自筆遺言書でなく、公正証書による遺言書作成にして貰えていたら、後日、このような争いは避けられたかもわからないと思いました。

(コラム寄稿者:F.J)

 

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